ようやく観て参りました、実写TF最新作「トランスフォーマー/ロストエイジ(Age of Extinction)」。
事前に流れていた情報に色々踊らされていたというか、一部玩具レビュー書き直さなきゃ……などと思いつつ、感想レビューです。
れっど あらあとさんのところと所々被ってるのは、まあその……ブラックナイトグリムロックやっぱり買おうかなぁ(こら)
ケイド・イェーガー
今回から人間側キャストを一新し、サムに代わる主人公として登場したやもめの機械工。廃品回収と修理で暮らしつつも発明家として一山当てる夢を追い続けるのはいいけれど、家を差し押さえられたり従業員(ビジネスパートナー?)のルーカスへの給料支払いが滞ってたり、娘テッサとその恋人ショーンの交際を認められず反発されたりと、ちょっと先行き不安なお父さん(汗)
ただ、何だかんだでテッサやルーカスが離れていかなかったのもケイドのある種の純粋さ(難解なメカが壊れていたら直してみたい、解明してみたいという発明家根性や、その使い方を間違わない良識)に他者を惹きつけるものがあったが故、とも考えられ、決してダメなだけの親父に堕していないのがセリフじゃなくて描写で分かるのがお見事。ケイドが劇中のようなキャラクターでなければ、オプティマスは朽ち果ていずれロックダウンに見つかり、ガルバトロンの企ても成功していたでしょうし、ヒーローの資格は充分だったと思います。
吹き替えは土田“ニンジャブルー”大氏。娘テッサの吹き替えがしょこたんこと中川翔子氏ってことを考えるとすごい親子だ(笑)
恐竜絶滅の真相
太古の昔、恐竜たちが暮らしていた地球を襲ったのはデーボス軍でもシンメトリカルドッキングビークルロボの貼りついた隕石でもなく、「創造主」なる存在が操る謎の宇宙船。打ち込まれた装置が波動を広げると、地形や恐竜たちが金属化していく……
これで直接ダイノボットが生まれたかどうかは不明ではあるが、サイバトロン星が機械惑星になったのも創造主の仕業らしいので、オールスパークとの関連が気になります。メタル化した生物たちにスパークが与えられることでトランスフォーマ-に生まれ変わったのならば、もしかすると……?
さて、TFを創造したナマモノ系知的生命体となるとクインテッサ星人の可能性が濃厚ですが、近年のTFは「破壊神ユニクロンに対抗するため作られた創造神プライマスの眷族」みたいな設定が主流だと思っていたので、「2010」以前に差し戻してきたのは意外かも知れない。
……映画でやろうとするとユニクロンはビッグスケールすぎるし、大ボスをクインテッサにするのは割と妥当なところかも知れない。
オールスパークとクインテッサ(仮)の関係を考えると、「生命創造」と「バイオテクノロジー」くらいの関係じゃないかと推測してみます。機械に生命を与える神秘のオールスパークと、有機体をトランスフォーミウム化するクインテッサボムで比べると、後者はまだ神秘よりも単純な(?)分子原子の組み替えレベルに留まっている、と考えると個人的にはしっくりくる。
待てよ。
クインテッサ……Queenテッサ……女王テッサ……? いやいや、まさかまさか。
そもそもクインテッサは「Quintessa」だしね(quint=「5つの」、で5面顔を表している)。うん、無関係無関係。
ちなみにこのメタル化爆弾「シード」が今回の重要アイテムとなるわけですが、ロックダウンの使っている「爆弾」も範囲こそ狭いながらに似たようなメタル化効果があるので、多分原理は似たような物なのかな。雇い主から供給された武器なのかも。
……ということはメタル化してお亡くなりになってしまったルーカスからもトランスフォーミウム(後述)が採れちゃうんだろうか。
オートボット狩り
前作「ダークサイドムーン」の際にシカゴでは1300人以上の犠牲が出ており、一部では反オートボット感情が高まり、ハロルド・アッティンジャーを中心に反TF組織「KSI」とCIA実働部隊「墓場の風」が結成されていた、と文章設定されていますけれど、KSIはテクノロジーでなり上がった企業という面が強い印象です。
KSIは表向きはロボット工学の一流企業という顔を持ち、発明家でもあるジョシュア・ジョイス社長の指揮の下で人工トランスフォーマー「スティンガー」を開発していたが、裏では墓場の風によるオートボット狩りが進行し、捕らえて破壊したオートボットらを研究サンプルにしていた……
地質学者ダーシーが熔かされているラチェットの頭部を「ディセプティコン」だと思っていたり、ジョイスが市民受けを考えてガルバトロンのデザインをオプティマスに似せようとしたり、スティンガーを「バンブルビーが望んでいただろうもっとかっこいい姿」としてプロモーションしようとしたり、社外でも大統領がオプティマスとの会談を望んでいたりと、一般的にはオートボットへの感情はさほど悪くないことが窺えます。
しかしCIAによる情報操作で、一般人に対しての「ディセプティコンを見つけたら政府に一報を。賞金が出ます」といった貼り紙にオプティマスやバンブルビーの顔がばっちり描かれていたりします。
直接対面した関係者じゃなきゃ詳しい顔のディテールとか分からないのかも知れないけれど、予定通りにガルバトロンとスティンガーが一般に向けてデビューした時はどう誤魔化すつもりだったんだろうこれ。
軍医の最期
客船に潜伏していたラチェットを、墓場の風が襲う。KSIで協力させられているブレインズもですが、まず片足ぶっ飛ばして機動性を削ぐ所から始める辺り、効率的すぎて気分が悪くなること受け合い。
人類に味方したオートボットの軍医であろうと、シカゴの戦いで肉親を失った兵士にとってはトランスフォーマーであるというだけで罪として映る。
抵抗するラチェットを狙撃して、さらにスパークを抉りだしてトドメを刺したのは、墓場の風に協力する謎のトランスフォーマー・ロックダウンだった。
実写第一作で登場したオートボットも、第一作でジャズが倒れ、第三作でアイアンハイドが死亡し、そしてラチェットがここで退場。気付けばあの頃のメンバーはオプティマスとバンブルビーしかいなくなって……
あ、でもよく見たらスパークを潰されていないので、次辺りで新たなボディに移植されて闇の看護兵となってドリル片手に復活する可能性もゼロではないのかな。その場合クインテッサ(推定)の手先になってそうだけど。
なお、後に記録映像でレッドフットも墓場の風に襲撃されて死亡していたことが明かされ……というかあの飛行カメラ、録画情報入れっぱなしなのか。
バウンティーハンター・ロックダウン
KSI的にはロックダウンもTFなんだから信用に値しない相手のはずだけど、どこまで本気かはともかく「オートボットもディセプティコンも争いを広げるばかりの馬鹿ばかり」と称している姿勢や、敵の敵は味方という理論から一定の信用をされている様子。
彼の目的はオプティマスを捕らえること。それが成し遂げられた際には引き換えに、KSIに「シード」をひとつ譲り渡すという契約をしていた。
ジョイスはシードをモンゴルの砂漠で爆発させて100年分のトランスフォーミウムを採取しスティンガーを大量生産するつもりでいたけれど、創造主やロックダウンにしてみれば地球人がそのくらいの力を持ったとしても大した問題じゃないと見ているのかも知れない……? シードを地球に打ち込んだら地球人もなすすべなくメタル化だし、そもそも対等の取引ができる次元ではない。
ぶっちゃけた話地球の世論なんか知ったこっちゃないスケールで生きているTF種族に対して対等以上に権利を主張できるアメリカ人のメンタル強ぇ。
映画館のオンボロトラック
ボロボロの映画館とか出てくるとどうにもこれを思い出す(笑)
ケイドとルーカスはそこで、何故か隠れるようにひっそりと鎮座していたオンボロトレーラーキャブを発見する。何故か砲弾を撃ち込まれた形跡があるなど謎めいた車だが、直して売り飛ばせばまとまった金になるだろう、というのが当初の算段だった。しかし。
オプティマスプライム
トラックの正体は潜伏中のオプティマスだった。墓場の風に奇襲され、致命傷に近いダメージを受けて自己修復もままならないまま機能停止していたのだ。
そんなもんだからケイドが動力ケーブルつないで再起動させると、即臨戦態勢取っちゃったりするという……そりゃルーカスもビビって報奨金目当てで通報しちゃうわと。
強襲、墓場の風
こう言う日常を壊しに来る特殊部隊を見るたびに、部隊相手に無双して逆に縛り上げる最強民間人とか出てこないものかとつい思ってしまうのが私の悪い癖。
人質に取られたテッサを助けるためにオプティマスが飛び出し、さらに一台のラリーカーが突っ込んでくる。ラリーカーで駆け付けたのはテッサの恋人ショーン。思い切り墓場の風の人の首をタイヤでグリッと行ってるよね……
オプティマスとロックダウン、ケイド一行と墓場の風のカーチェイスが大迫力です。てか、ショーンとテッサの「いつものオーバーブースト」はどこまでが普段の範疇なんだろう。おあつらえ向きにジャンプ台とかあったんだけど、毎度あのジャンプ&着地をしてたら命がいくつあっても足りないよ!
そしてロックダウンの爆弾を受けて、ルーカスはメタル化死亡してしまう。南無。
オートボット、集結せよ
オプティマスの招集に応じたのは、バンブルビー・ドリフト・ハウンド・クロスヘアーズのグループのみ。他のオートボットはじっと隠れ棲んでいるだけなのか、それともオートボット狩りに遭って……
個人的には前者だと信じたいところですし、身も蓋もないことを言えば次回作でまたしれっと新オートボットが合流してそうではある。
知らんのか、俳句だ
ドリフトさん、五・七・五に七・七まで加えたらそれ俳句じゃなくて短歌。
というわけで、アメコミが元となった比較的新しいところにオリジンを持つ侍俳人ドリフト、メタボなベテラン重火器担当ハウンド、実は何気に若手らしいロングコート空挺兵クロスヘアーズ、そしてオプティマスに代わって彼らを束ねていたバンブルビーが、今回のオプティマスの仲間たち。
しかしリーダー不在の逃亡生活が長かったためか、思いっきりみんな荒んでいた。バンブルビーなんか今回割と短気ですし。
サムと会えない日々が続いていることは想像に難くないんだけど、そもそもサムやシモンズ、レノックスたちが今どうしているのか分からなくて不穏なんだよなぁ……あの貼り紙見たら絶対に抗議するだろうし。
ホィーリーやサイドスワイプ辺りが保護して一緒に潜伏逃亡生活とかなってたらまだマシな方かも知れない(汗)
KSI社へ
墓場の風が使っていた飛行カメラをひとつ捕まえていたケイドが、コントロールできるように改造したりハッキングしたりと意外とやりたい放題。冴えない発明家だと思ってたけれど、それなりに動くロボットを自作しているだけあって能力は高かった。
というか、本社ビルに入る時に流れる効果音にこだわりを見せるジョイス社長とか面白すぎるんだけど。この辺で何と言うか、憎むべき悪役以外の面が垣間見えてた。
スティンガーとガルバトロン(ガルヴァトロン)
KSI社はシカゴで回収したメガトロンの頭部からブレインズ経由で情報を抜き出し、トランスフォーマーがトランスフォームする秘密=プログラム可能な金属トランスフォーミウムの秘密に辿り着いていた。
プログラムさえ通せばオーディオプレーヤーだろうが拳銃だろうが自由自在の金属って、なるほど質量さえ合っていればどんなマシンにも擬態できるわけだ。
だが、単純なプログラムでオプティマスに似た姿になるはずのガルバトロンは、どうしてもメガトロン似になってしまうのでジョイス社長は苛立つ。
この時点ですでに不穏な雰囲気が漂ってたんだから、せめてガルバトロンだけは一から作り直すべきだったんじゃなかろうか……
ちなみにKSI社製ボディのTFは従来の「変形」ではなく、自分のボディをバラバラに分解して別の形に再構成するというスタイルを採っています。これは超速変形!
一方ケイド、ショーン、バンブルビーは飛行カメラを使ってIDを偽造して潜入したが、展示中のスティンガーとそのプロモーションビデオに怒って、スティンガーを締めあげたり転倒させたり。気持ちは分かるけれどずいぶん落ち着きがないぞバンブルビー!
というか後のシーンと併せて考えるとこの時のスティンガーって実物大モックアップじゃなくて実機なのね。
ラチェットの首
……スパークを別の体に移植して最初は敵に回るけれど自我を取り戻して復活とかしてくれラチェット先生……と、割と本気で願ってしまったカット。
大半の研究員はこれをディセプティコンだと思っていたから罪悪感がないというか、人類全体がオートボットの敵に回ったわけじゃないのは救いではあるんだけど、これを知ったらそりゃオプティマスもキレるわな。
潜入がバレて捕まるケイドだが、オートボットがKSI社屋に殴り込み。基本的に今回、途中までオートボットの方が積極的に被害広げているような……まあ状況からして仕方ないんだけど。
ただ、KSIの人間の多くは人類の発展と防衛のためにディセプティコンを研究していたつもりでいたし、事情を分かっているジョイス社長を締めあげたところで第二、第三のジョイスが現れるだけなのは確か。
ブレインズをついでに回収して、オートボットとケイドたちは一旦KSI社を去る。
追撃
だからスティンガーはともかくガルバトロンを出すのはやめときなさいって。
案の定ガルバトロンは制御を離れてオートボットはもちろん民間人にもミサイル攻撃を加え、挙句に自ら喋り出す始末。
メガトロンの意識と記憶を持つガルバトロンだが、スパークがないため死の恐怖も感じず、ブレードで胸を貫かれても平然としているのが恐ろしい。
スティンガーがやられる時はあっさりやられているのを見るに、ガルバトロンは別格の様子。まさか全ての細胞に意識が入ってて、全て焼き尽くさないと死なないとかいうタイプなんだろうか。
しかしこのシーンを見ると、TF界の人間の頑丈さはすごいと改めて思う。番組が違ったらあの回転で三回は死んでそう。
ロックダウンと宇宙船
戦いのさなか、テッサの身を案じるケイドとショーンの目の前で、いつの間にか降下していた宇宙船からロックダウンが降り立ちオプティマスを狙撃。この一連のシーンでの舞い散る埃やチリが3Dだと臨場感ありまくりというか、冒頭の宇宙船登場シーンとここの舞い散りシーンが今回の3Dの一番目立ったところだと思う。
ガルバトロンたちが撤退する中、ロックダウンはオプティマスを宇宙船に回収するが、その際にテッサも一緒に連れ去られてしまう。
ロックダウンの宇宙船はかつてオートボットの戦士が使っていたモノで、「お前は聖域を侵した」とオプティマスも怒り心頭。
というか、この船で市街地を悠々と飛んでるもんだから市民も不安になるし首席補佐官も皮肉飛ばしたくなるわな。
廃棄物として処理されかけたテッサは何とか逃げ延び、そこでKSIとロックダウンの取引現場を見てしまう。
宇宙船に侵入せよ
KSIと取引するために街の上空でほぼ停泊モードだった宇宙船に、オートボットとケイド、ショーンが潜入。
「無益な殺生をしない」と言った0.5秒後に飛び出してきたトラップ生物をめった刺しにしているドリフトはやっぱり笑うところなんだろうか。この人武士道の信奉者めいたこと言ってるわりに短気だよね。
ケイドは主力武器を手に入れた
ケイドとショーンが発見したのは人間サイズの剣に似た武器。ショーンがへたれて猟犬型生物(スチールジョー)相手に降参したのがきっかけで偶然その真価「ガンモード」が発動し、逆転の契機を掴む。
後のシーンでハウンドが弾切れになって死亡フラグ状態に陥ってたのにこのソードガン最後まで弾切れにならなかったんだけどどんだけ燃費いいんだろう……
で、合流したテッサが大活躍したお父さんよりもヘタレてた恋人の方に抱き付くところは完全に笑いどころ。娘がお年頃だと余計にお父さんは辛い。
そして脱出
クロスヘアーズたちがシステムの一部を乗っ取り、宇宙船のアンカーを下ろしたり脱出艇を切り離したりしてオプティマスを救出しつつ脱出しようとする中、ケイドたちはアンカー綱渡りで近場のビルに降り立とうとしていた。
――このシーンが今回一番怖かったです。高所恐怖症の人は注意!
何だかんだでスチールジョーにワイヤーを噛み切られて間一髪のところでバンブルビーが空中キャッチ!
シカゴ大空中戦
迫る追手(ロックダウンには結構な数のモブ部下が存在)に対抗して、クロスヘアーズが奪ってきた戦闘機(前作DOTMに出てきたディセプティコン戦闘機に酷似)でドッグファイト。
ケイドとショーンも砲手を務め、バンブルビーが意外と達者な操縦を見せ、クロスヘアーズが空挺兵の本領発揮!
今回はオプティマスが「ケイドに借りを返す」という方向で動いていてオートボットもそれに従っているので、何かそれ以外の人類に対しては無頓着というか、切り取りようによってはオートボットが平和を乱しているようにも(汗)
そしてロックダウンの宇宙船が飛び立つ寸前に脱出艇を切り離し、オートボットは脱出に成功する。
全てはガルバトロンの仕業
メガトロンはブレインズ経由で己の自我を新たなボディ=ガルバトロンに移し、さらに自分の遺伝子データをスティンガーに感染させることで密かに支配下に置いていた。
実写TF1~3でどんどんフィジカル的に弱体化していったメガトロンですが、二手三手先を読む周到さと倒れてもへこたれないタフネスは凄まじい。もうどうやっても成仏しそうにない。
舞台は香港へ
香港に実験の舞台を移すジョイスの元に、ケイドから着信。自分のして来たことが全てガルバトロンの掌の上だと知らされて、徐々に心が揺らぎ始める。
やがては実験の延期に踏み切ろうとするが、アッティンジャーに恫喝されて……
ガルバトロン起動
香港に運び込んだけれど絶対起動させないように、と香港支社の才女スーさんに命じたジョイスだが、ガルバトロンは勝手に起動して50体のスティンガーを従えついに蜂起する!
ここから、シードを持って逃避行するジョイス、付き合わされるスーさんたちとそれを追う墓場の風という構図も発生するんですが、ここでジョイスが一気に憎めないキャラへと転身。
この人シモンズ枠だったのか!
オートボット墜落
スーさんや通りすがりの香港ボクサーの助けを借りてビルの屋上にまで逃げたジョイスだが、墓場の風も迫る。
そこに宇宙船脱出艇に乗ってきたオートボットが到着するが、スティンガーに脱出艇を撃たれて人間トリオ&ハウンド・バンブルビーを残し、脱出艇は中国の山奥へすっ飛んでいってしまう……
香港大攻防戦
イェーガー家も始末してしまえとばかりの墓場の風に対し、ケイドも逃げたり戦ったり。この人の能力の高さを見ると、何で片田舎でくすぶっていたのか疑問になるレベル。でも世渡りは下手そうだから仕方ないのか。
ハウンドが死にそうになっていて、ふと「弾切れに息切れ、切れ切れついでに人生の幕切れ(byロアビィ・ロイ)」を思い出してしまう。ほら、緑色で重武装だし(ぉ)
How to ride your DINOBOT
一方中国の奥地に墜落した脱出艇御一行。オプティマスは援軍として、同じ脱出艇に囚われていた野獣の騎士たち、ダイノボットを解放した。
当初は言うことを聞かない彼らを従えるため、リーダー同士の殴り合い。オプティマスは見事にグリムロックを拳で下し、ダイノボットと共同戦線を張ることに成功する。
この時「ああいう物騒な輩の相手はプライムに任せよう」「あれって洗脳って言うんじゃないの?」「それもまたプライムらしいということだ」「……車とかに変形するんじゃないのか」と、傍観者モードで好き勝手言ってるクロスヘアーズとドリフトが妙に微笑ましい。
オートボットwithダイノボット、出撃
オプティマスがグリムロックに、クロスヘアーズがスコーンに、ドリフトがスラッグに乗り、ストレイフもバンブルビーに背を預けて香港狭しと暴れ回る!
ストレイフの元になったG1スワープがダイノボットの中では防御力が低く負傷が目立ったことを反映してか、主要キャラであるバンブルビーを背に乗せたせいか、自分の上でスティンガーと乱闘されてもろともに墜落とか結構ひどい目に遭ってて、不憫というかG1リスペクトというか。
G1バンブルとスワープが日本では同じ塩屋翼氏なのも組んだ理由なんだろうかと思ったけれど、原語版だと別の声優さんだったりする。
宇宙船のマグネットパワー
オプティマスに逃げられたことに気付いて戻ってきたロックダウンの宇宙船が、底のマグネットで周辺の物体を吸い上げては落とし攻撃を加えてくる。
短い四肢をばたつかせて抵抗するスラッグが可愛いともっぱらの評判です(笑)
現地調達の車で活躍していたショーンだけど、二代目相棒(仮)もここでお釈迦に……
シカゴ大空中戦といい、この映画は客船が犠牲になりすぎる。宇宙船の磁力自体はオプティマスの砲撃で電磁石を破壊されてなんとか解決。
オプティマスVSロックダウン
とうとうオプティマスとロックダウン、一対一の戦い。そこに加勢しようとするケイドにアッティンジャーが迫る。
一方で残されたメンバーは、戦術核並の爆発力を持つシードが万一爆発してもいいようにとブリッジを封鎖。ダイノボットたちもそちらを担当しています。
ロックダウンはこれまでのTFではなかなか見られない「ハイレベルな格闘術」でオプティマスと互角以上に戦う。関節極めにくるTFとか珍しいモノを見た気がする。
ケイドを救うためにオプティマスはアッティンジャーを射殺する。だがその隙を突いて、ロックダウンはオプティマスが調達してきた剣で逆にその胸を貫きタンクに縫い止める!
貫通されている割にオプティマス元気だけどな! ちょうど変形ギミックの隙間に刺さったんだろうかあれ。
人間の意地
しかしここでレッカー車に乗ってテッサとケイドが助けに現れる。ワイヤーを張って走り回ることでロックダウンを転倒させたりオプティマスに刺さった剣の柄にフックを引っ掛けて引っこ抜いたりと大活躍。
そしてついにオプティマスはロックダウンを倒し、群がってきたスティンガーも分捕った爆弾で一掃するのだった。
そしてケイドたちを安全なところに逃がすため、唐突に飛び立つオプティマス。
ジェットパックもないのに飛んだよこの人。
戦いが終わって
まずは「戦いに付き合ってくれたら自由にする」という約束のため、ダイノボットを野に放つオプティマス。
ちょっと待て、中国全体に死亡フラグ立ってないかそれ。
そしてオプティマスはオートボットにイェーガー家を守るよう命じ、家を失ったイェーガー家はジョイスが援助することで何とか立て直せそうな感じになったところで、オプティマスは創造主とケリを着けるために宇宙へと単身飛び立つ!
胸の貫通創治してからにしようよ!?
というかそんなに真っ直ぐバビューンと飛んで行かれたら「あれは司令官だ」「やられたんだ」「落ちてくる!」フラグにしか見えませんよ!
というわけで、ロストエイジでした
新三部作の幕開けということで、ガルバトロンは無傷のまま悠々と去り、黒幕創造主は手の先くらいしか見せずと、今後の展開へのネタ振りと言った感が強い作品ではありました。
そんな中で、ダメ親父ケイド、反抗期娘テッサ、レーサーだけどヘタレ彼氏ショーンがお互いを認め合っていく人情ドラマは充分見ごたえのあるモノになっていたと思います。
「殺さないでくれてありがとう」「……まだチャンスはあるな」とか人間サイドの掛け合いがこれまでの実写TFの中では一番面白かった気がします。
今回反オートボットを主導していた連中が死んだり改心したりしていたので(墓場の風もそんなに大きな組織ではなかったようですし)、次回作では人間とオートボットの関係は改善されていると思いたいところ。
そして今回、観終わってみて「そう言えばハウンドの変形シーンってあったっけ……?」とちょっと気になったりする。オプティマスやバンブルビー、人造トランスフォーマー、ダイノボットと変形シーン自体はあったので不満はないんですけど(オプティマスとバンブルビーは「お色直しシーン」の方が印象的かも知れない)、オートボット新メンバー3人はカットが切り替わってるとモードが変わってるような印象でした。
今回のオプティマスのデザインにビークルモードの記号がなくて苦労した、なんてタカラトミー側がインタビューで言ってたりするのと考えると、もしかして全体的に「手を動かして変形させる玩具」自体に消極的になるムーブメントがあるのかも、なんて不安も過ぎります(日本でもジャイロゼッターの「非・器械的変形」とか、高年齢層向け商品が変形よりも「劇中通りのアクションとプロポーションを楽しめる非変形アクションフィギュア」に寄って行ったりとか)。
やっぱりTFと言えば「Robot in Disguise」で「More than meets the eyes」なので、そこの魅力は絶えず伝えていく作品であってほしいなと願うばかりです。
何はともあれ実は劇中で一番感激したのが、グリムロックがちゃんと玩具通りのデザインのメイスを振り回していたことだったりして。
色合いとかスコーンの背びれの解釈とか一部違ってはいたものの、玩具オリジナル感が強い代物だと思っていたダイノボット玩具の勇姿が忠実に映像化されていたことは、予想以上の喜びでしたね。
次回作以降にも是非、ダイノボットは変わらぬ迫力で出てきてほしいものです。