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仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦

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ようやく見て参りました、戦国MOVIE大合戦。


大合戦
というわけで、ネタバレありの感想レビューです。


仮面ライダーウィザード 約束の場所


Are you a magician? No, I am a wizard

まずは、コヨミが遺した賢者の石の安置先を求めてとうとう異国にまで訪れていた晴人から。困っている子供たちを魔法で助けるいつもの晴人の姿が安心感あります。


突入、人造ファントム研究所

一方日本では木崎と大門さん、メイジトリオが笛木の研究所を捜査していた。逆手マグライトの上に拳銃乗せてクリアーしていく二人と、ひょこひょこ付いていく素人の仁藤の対比が短いながら面白いポイント。というかこの時点ではキマイラを捕まえたビーストドライバーを所持しているものの魔法使いに復帰していない仁藤が付いて行ってるのは、考古学者というかアドバイザー役だろうか。

そこで侵入者を感知してカーバンクル三体が起動!


さあ、終わりの時よ

本編最終回で真由が国安ゼロ課の協力者になっていましたが、今回はそこに譲と山本も加わりトリプル変身。真由ちゃんその決め台詞気に入ってるよね。カーバンクルとそれぞれ一対一で互角の戦いを繰り広げるが……


ファントム・オーガ

オーガ!オーガ!オーガ!オーガ!(違)

生前の大須賀さんがどんな人なのか分からないので凄くグレムリンに来てほしい気持ちになったのはさておき。

最強のファントムとなるために他のファントムを喰らってその能力を吸収していき、晴人のウィザードラゴンを付け狙う悪辣なファントム。しかしこれまでウィザードに倒されたファントムの能力を使っていると言う辺り、実は本当はそんなに強くなくてこっそり事件の裏で飛び散ったファントムの肉片とかちびちび食べて力を貯めてたのかなと思うとなんだかほっこり(ぇ)。

メイジトリオの内在ファントムや仁藤のキマイラを狙わずウィザードラゴン一直線(カーバンクル三体食べたけど)なのは、本人的に何らかの儀式的な条件による物だったのかも知れない。

何はともあれメイジ三体を一蹴してカーバンクルを体の大口でバクバク食べることができるくらい強敵です。


コヨミへの未練

晴人は海の見える砂浜に賢者の石を置こうとしたものの、騒がしくて眠れなさそうということで撤回する。

大切なコヨミの形見というか分身にも等しい賢者の石なので、何だかんだと理由を付けて晴人はこれを手放せずにいた……そこにオーガがバイクで現れる!

海外なのにバイクで来られたのは、この後の戦闘でも使っていましたけれど恐らくはベルゼバブの転移能力でしょう。


ウィザードVSオーガ第一ラウンド

あらゆるファントムの能力を使いこなすオーガに対し、晴人はフレイムスタイルからフレイムドラゴン、さらにドラゴタイマー分身で立ち向かう。

思うにドラゴン系スタイルっていうのは現実世界にウィザードラゴンを具現化する力なので、オーガさんこのまま丸呑みすればよかったんじゃないかな……晴人成分は邪魔なのかな。

あくまで晴人を絶望させてファントム・ドラゴンにして喰らうのが目的なので、レギオンの能力でアンダーワールドに直接潜入してドラゴンを食うのは最終手段として取っておいてたりしますし。

晴人を絶望させてウィザードラゴンを手に入れるべく、オーガは賢者の石を奪って姿を消す……


晴人帰国

時間的な余裕のなさを考えるとコネクトかテレポートを使った可能性が高く、不法入国疑惑が(苦笑)

ともあれはんぐり~にて情報交換をしていた大門さん、仁藤、瞬平、そして店長の前に晴人が現れ再会を喜ぶ。店員のリョウさんがいないのがちょい寂しくはあるけれどスケジュールが合わなかったのかな。


来襲、黒コヨミ

糸車から黒コヨミが紡がれていくシーンがなかなかにホラーです。生命を弄ぶ禁忌感が出ていて、直接的な臓物が出るわけじゃないのにグロテスクさが感じられて印象深い。

そして「私魔法使いになったの。晴人とおそろい」からにじみ出るヤンデレ感がたまらない(笑)

黒コヨミはあくまで賢者の石に込められた晴人のコヨミへの想いを核として作られた人形なんですけど、それはともあれ夏映画でもレギュラーでただ一人変身できなかった奥仲氏がようやくシャバドゥビタッチヘーンシーン出来たわけで、まずはおめでとうございますと(笑)

その姿が「白い魔法使い」な辺りは晴人の意識の産物なのかオーガの底意地の悪さなのか。


コヨミを殺して絶望するか、コヨミを殺せず人々の被害を眺めるままに絶望するか

晴人に突き付けられた二者択一。自分の未練が人々への被害に繋がってしまい悔やむ晴人。

そして仁藤はそんな晴人にコヨミを倒すところを見せまいと、晴人を膝蹴りで昏倒させ、大門さんの制止も振り切りビーストドライバーを再び装着する!


復活のビースト

「せっかく解放してやったのに」と言いつつ、何だかんだで大人しくビーストドライバーに捕まってて力を貸してくれるキマイラおじいちゃんだ。やっぱりツンデレだろおじいちゃん!

これでまた魔力を喰らわねば生きていけない体になってしまった仁藤だけれど、そこに後悔も迷いもない。

久々のビーストは、不意打ちを喰らわない限りはかなりどの敵に対しても互角以上に立ち回っていてポテンシャルの高さを見せつけてくれるのが嬉しいところ。というかTVシリーズでは常に充電切れかけだったんじゃなかろうか……(汗)

何はともあれ白い魔法使いに対しても互角以上の戦いを繰り広げているので、オーガが介入。笛木の計画とは無関係に魔法使いとなったように、今回オーガの思惑とは無関係にビーストになった仁藤は予想外の障害ってポジションが板についてますね。


コヨミ撤退後

面影堂にて自分を責める晴人を、大門さんたちは優しく励ます。そして瞬平は、コヨミたちとの思い出を込めた初めての自作指輪を晴人に託した。


エクスプロージョン・ナウ

再び現れた黒コヨミはエクスプロージョンの魔法で街中に爆発を起こし、逃げ惑う人々の中を笑顔で闊歩する。ここの黒コヨミが最高に怖可愛くて奥仲氏への見方がちょっと変わったかも。いやまあ1年間の「ウィザード」での積み重ねあっての印象でもあるんですが。


晴人の決意

思いの外容赦なく攻撃していて「え、マジで殺っちゃうの?」とハラハラするウィザードの戦いっぷり。

ただし瞬平が作ったチチンプイプイウィザードリングはエラー!(汗)

一点窮地に陥るも、オーガの相手を仁藤に任せ、晴人が取った手段は……ハグ!?


二人の思い出に

黒コヨミはコヨミ本人の復活ではなく、晴人のコヨミへの思い出と未練が姿を取ったもの。そんな黒コヨミに、そして奥底の賢者の石に眠るコヨミの意志に、晴人は語りかける。

サバトのあの日、生き残ったのが自分だけじゃなかったという事実がどれだけ晴人にとって救いだったかを。

その声は“コヨミ”に届き、白い魔法使いはコヨミの言葉を残して浄化されていく……

何かここがもうラブシーンに見えて、晴人がコヨミというか白魔のガワにキスするんじゃないかと思った(ぉ)


オーガ最後の手段

自ら心の支えを壊して絶望するのではなく、希望と思い出の力で黒コヨミを賢者の石に戻すという離れ業を見せた晴人に、オーガはレギオンの力を行使。アンダーワールドに直接乗り込んでウィザードラゴンを喰らおうとする。

しかし、コヨミの想いが晴人を守ろうとしたのか、賢者の石に反応したチチンプイプイリングから分身ウィザード(晴人本人の自我を有しているのでドラゴタイムに近い物か、あるいは幽体離脱?)がオーガを追って晴人のアンダーワールドに突入!


晴人の今のアンダーワールド

そこは、コヨミとの別離を経験した笛木邸近くの湖だった。そこは晴人の、コヨミとの思い出が詰まった空間。ウィザードラゴンを手懐けて喰らおうとするオーガを、晴人は即座に銃撃する。


コヨミとの思い出に満ちた希望の空間で、希望の魔法使いが負けるわけがない

コヨミとの思い出を辿るように場面を変えながら、ウィザードはスタイルチェンジを繰り返してオーガを翻弄していく。

「コヨミがいないと何もできない」のではなく、「心の中にコヨミがいるから、いつでも真っ直ぐ歩いて行ける」というコヨミあっての自立は、奇しくもドキプリクリスマス回の六花さんたちと重なるものがあると思います。

そして最後はウィザードラゴンの背に乗り、火炎で刀身を燃やしての一閃でオーガ撃破!


お前のアンダーワールドは気に入っているのでな

ウィザードラゴンは初期の頃は外に出ることをもくろんでいたようですが、フレイムドラゴン開眼の際の対話、そして本編最終話で「自分のためにウィザードラゴンの力を求めた」ということもあり完全和解……っていうかあのコヨミ思い出シアターが居心地いいって辺りやっぱり晴人の一部なんだなこいつと(笑)

そして晴人は、アンダーワールドの面影堂へと訪れる。


この指輪を、持っていて欲しい

思い出の中のコヨミの、プリーズリングと入れ替えるように、晴人は賢者の石を託す。晴人が持ち続けているのが一番安全な保管法かと思いきや今回それでも狙われていたわけで、晴人のアンダーワールドなら(レギオンみたいなファントムが現れない限り)誰にも悪用されない本当に安全かつコヨミにとってもいい「眠る場所」なのは誰もが認めることでしょう。

本編最終話を経ての「ウィザード完結編」として、極めて綺麗にまとまったラストだったと思います。


そして戦いはMOVIE大合戦へ

この綺麗に終わった話に次の敵が乱入してきて引き、って構成はMEGAMAXオーズ編っぽいな(笑)

クラックを通じて現れたウツボカズラ怪人が背後から仁藤を食って(というか吸収して)逃亡!

物語は後半へと……



仮面ライダー鎧武 戦極バトルロワイヤル!


改めて映画の構成

MOVIE大戦は大まかに「前作ライダーの後日談」「現役ライダーの番外編」「合流して共闘」という構成ですが、今回は「前作・ウィザードの後日談」の後は「現役・鎧武の番外編に途中からウィザードが合流」といったシンプルな形になっています。

また、ウィザード特別編やスーパーヒーロー大戦の放映で「鎧武」の放映を遅らせていることから、特撮脚本初体験の虚淵氏をメインライターに据える都合上、「鎧武」の制作開始時期が遅れたものと思われ、その影響か今回の映画は毛利恒弘脚本での完全な外伝話となっております。

田崎監督インタビューでも「映画の撮影が終わった時点でもテレビの放送がスタートしていないと言うのは流石に初めて」と言ってましたしね。

そう言うわけで、あまり本編からのフィードバックはないんですが大まかな力関係は本編10話の直前辺り準拠と言ったところです。

ただ明らかに貴虎(斬月)の目の前で光実が変身している(一方光実=龍玄は斬月を「白くて強いアーマードライダー」程度にしか認識していない)のにノーリアクションなので、本編とは逆に「兄は弟のしていることを把握しているけれど弟は兄の仕事を知らない」って力関係なのかも知れません。


バトルロワイヤルイベント

本編だとこないだようやく踊った紘汰ですが、本作では最初からダンス!

チーム鎧武・チームバロン・チームPOPUP(演じるは仮面ライダーGIRLS)・チーム蒼天(こちらはTHE JACABAL'Sという剣舞パフォーマー劇団が演じています)のダンスで場を温めた後に、鎧武・龍玄・バロン・グリドン・黒影によるバトルロワイヤル開催!

……インヴィットとレイドワイルド踊れよ! チーム鎧武からアーマードライダー二人が出ているのは、まあインベスゲームでもインベス3対1とかOKだったっぽいので別にいいのか(クリスマスゲームでは作戦の都合上「龍玄のみ参加」という体裁とってましたが)。


バトル・スタート

観客席(舞たちチーム鎧武もそこに引っ込んでいる)と戦場がやたら近いので、なかなか銃撃出来ない龍玄が木の実コンビ相手に苦戦しているのが印象的でした。

でもウツボカズラ怪人が乱入して舞に狙いを定めたら即撃つ。それが光実クオリティ。


クラックの向こうへ

謎のウツボカズラ怪人を追って紘汰と光実、そして戒斗もクラックの向こうに消える……そこはヘルヘイムの森。しかしこれまで降雨が確認されてこなかった森に、今日に限って雨が降りしきる。そしてさらなるクラックに三人は吸い込まれて……


世は戦極時代

全国には武神ライダーを従えた武将がいてそれぞれ天下統一を狙い戦いを繰り広げている世界だが、数ヶ月前から雨が降らなくなったこともあり、版図を広げて領民を守るべく戦闘が激化し民はGOSHINBOKUに雨乞いをする。

そんな中各地の武神ライダーを倒して回る無頼の武神鎧武ブラッドオレンジアームズが出没し、戦いは新たなステージを迎えようとしていた……

ここまで真顔でボケられたらもう何も言う事はありません(笑)


あえて考えを巡らせるとしたら、ウィザード特別編の「魔宝石の世界」のような「ライダーの力を封じた世界」か、武神文化とでも言うべきものが発達して異世界とのシンクロニシティで平成ライダーのような姿を取ったか……あー、うん、まとまる気がしない。

むしろ「プロフェッサー戦極凌馬が作ったから戦極ドライバー」である可能性があることを考えると、実はこれプロフェッサー凌馬がこっそり作ったバーチャル空間か何かがヘルヘイムの森のクラックと結びついて云々じゃないかと考えた方が個人的にはすっきりする。いやまあそれでも超技術すぎるんだけど。


基本的にヘルヘイムの森とは別物なので、クラックから胞子が漏れた分はともかくわざわざ草生やしに来た舞似の人はちと迷惑なのでは。本編でユグドラシルが植物をむしろ焼き払う側にいることを考えると、この舞似の人はユグドラシルと対立することに?

(いや、単にレジェンドロックシードの基になる果実を供給するだけの役割だったんだろうけれど)


戦極武将賢吾VS戦極武将名護さん

今回ちょっとしたサブライダー演者祭りだったので「何で流星じゃなくて賢吾なんだ!」とも思われてましたが、アストロスイッチカバン片手にフォーゼのモジュールチェンジを指示していたので割と満足っちゃ満足。

武神フォーゼはイエヤスの同盟国の武神ということですが、かといってこの武将賢吾や戦っていた武将名護さんがどの戦国武将に対応するとかはなさそうです。名護さんは753だしな。


その他の戦い

基本的には武神鎧武が世を荒らし回っていて残る武神ライダーがわずかという状況なので、描かれているライダーバトルは過去の回想というかイメージシーンに近いでしょう。

龍騎VSブレイドはカードライダー同士、クウガVSカブトは(ブレイドを除いての)甲虫王者決定戦、響鬼VSファイズは対極コンセプトの戦い、電王VSアギトは……秋山莉奈氏繋がり?

TRCSで生身の人間を蹴散らす武神クウガって言うのは、まあそう言うもんだという割り切りを示すビジュアルですね。


HONNOUJI

武神オーズを擁する武将ノブナガ(岩永洋昭氏)は武神鎧武の襲撃を受け、HONNOUJIと言う名の教会に追い詰められていた。武神鎧武と怪人軍団に襲われる人々を助けるべく紘汰と光実が戦いを挑む中、戒斗は焼けおちるHONNOUJIでノブナガと対面。その上昇志向を見抜かれて側近の女性ランマルを託される。

そして戒斗は「天下布武」の志に同調してノブナガの領地を引き継ぎ、DAI6TENMAOとなるのだった……いや本当に急に纏いだしたマントにそう書いてあるんですってば(汗)

「俺はこんな時代に生まれたかった!」とか言い出して戒斗さん超ノリノリ。自分の戦いの勝敗がそのまま自分の環境や社会情勢に直結するという戦国武将スタイルは、屈服を拒み力を求める戒斗には合致していたようなので、もうこの人このまま戦極時代に永住しちゃえばいいんじゃないかなと思った。

……いやまあ、チームバロン(特にペコ)が相当心配してたっぽいので戻ってきて良かったんでしょうけれど。


武将イエヤス

武神鎧武との戦いで武神ウィザードを失い、その代わりに捕獲した紘汰と光実を自軍の武神に迎えようとする軽い青年。しかしその心中は天下を統一することで全ての領民が幸せに暮らせる国を作る、というものだった。

……かといって「これからは武神に頼らず自分の力で戦う」というわけではなく(別にこの世界観でそういう着地をする必要はないし)、むしろ紘汰に影響を与える完成型キャラクターという立ち位置でした。

戦闘パート始まる前に大体の役割終えてしまっている感は否めない……


迷い込む舞

今回舞は「運命の巫女」として狙われたわけですが、巫女としての力を発揮したわけではなく、武神鎧武も舞似の白衣の女性に対しても「運命の巫女」とか言っていたので人違いで狙われていた可能性高し

紘汰たちがクラックの向こうに姿を消して一週間後、たまたま開いていたクラックに入ってみたらそこに貴虎がいて、彼を尾行するような形で戦極世界へ……戦極世界ではまず戒斗の意志を確かめることとなり、紘汰と戒斗の間に立つヒロインであるというOPイメージが反映されています光実頑張れ


今回の貴虎兄さん

・ヘルヘイムの森の異常を調査するために赴くが一週間収穫なし

・その間光実も行方不明になっていることにはノータッチ。

・いざ移動するとなったらその現場を舞に見られて彼女が戦極世界に辿り着く原因を作る。

・武神鎧武と武神Wの戦いに介入。武神WがCJXとなることで武神鎧武に対して一時優勢になったものの、「戦極ドライバー装着者を元の世界に帰す」という目的意識を持った貴虎兄さんが武神鎧武を紘汰鎧武と誤認して武神Wに攻撃を加えたことで、武神Wが武神鎧武に吸収される原因を作る

……先述の通り、どうもこちらの貴虎兄さんは光実が龍玄であることを把握しているようなのでそちら関連はまあいいとしても、やっぱりこの人うっかりキャラだ。

ただし戦闘面では強キャラ感を漂わせていることもあって非常に頼りになります。


晴人合流

イエヤス陣営へと移動する最中に襲われた舞を通りすがりに助けるウィザード。フレイムスタイルのままでスペシャル(火炎放射)を発動していたりして、ウィザード編でも思ったけれどノーマルスタイルでも結構強いぞウィザード。


何のために戦うか

光実をウツボカズラに喰われ、イエヤスの家臣の命が腕の中で消えるのを実感し、紘汰は武将たちが戦い続けることそのものに疑問を抱くが、イエヤスの「天下を統一して平和な国を作る」という目的意識の前にひとつの解を見出す。

しかし「自分が自分でいるための、踊る場所を守るために戦う」ということでイエヤスの主張に間接的に賛同する舞はともかく、晴人は「郷に入っては郷に従え」で行動している感。

人を守るため、世界を平定すべく結局外へと攻め出していくことの是非って言うのは簡単に答えを出せるものでもないんだけどライダー戦国時代を謳う以上「鎧武」関連作品はここの肯定が前提になっちゃうので展開の持って行き方がちょいと強引ではあります。

今の時期に戦乱が活発化しているのはGOSHINBOKUが水を吸い上げてヘルヘイムの森に排出していたせいなのでGOSHINBOKUの破壊で恵みの雨が降ることとなり、戦乱も沈静化するだろうということで、紘汰の出した結論と物語的な一応の決着にちょっとズレがありますね。

このラストだったら、紘汰には「だったら俺が雨を降らせりゃ戦いも少しは止まるんだよな!」と考えなしに突っ走らせた方がよかったかも知れない(そうなると「俺が最後の希望だ」と言うに留めて戦乱に手を貸すとも何とも言わなかった晴人は意外に上手く立ち回ってたのかも知れない)。


武神鎧武とウツボカズラ怪人とGOSHINBOKU

今回のエネミーは事実上三位一体なんですが、戦極世界の成り立ちからして意味不明のまま突っ切っているのでこいつらの発生機序とか分かりようもない(笑)

ウツボカズラ怪人が武神ライダーたちを体内に吸収して得たエネルギーをGOSHINBOKUに流し、最終的には運命の巫女を手に入れた武神鎧武がGOSHINBOKUと蓮華座合体することで天下を手に入れる、という仕組みになっています。

GOSHINBOKUはこの世界の雨を吸収して貯め込み余剰分をヘルヘイムの森に排出することで、水不足による戦乱の活発化を誘発し、武神ライダーの力を蓄えるタンクだったり種から怪人を生み出したりしているんですが、「世界樹」を中心に据えた「鎧武」本編と符合しているんだかいないんだか微妙。極初期の設定から話を引っ張ってきたとかだったりするのだろうか……


仁藤と光実救出

割と普通にウツボカズラの口近辺を攻撃したら出てきた! 危うく消化されるところだった、とは仁藤談。この時絶対に斬月から見える位置に光実がいるんだけど以下略。


インフィニティー再取得

特別編にて魔宝石の世界の少年晴人にインフィニティーリングを預けた晴人ですが、今回はイエヤスから武神ウィザードの形見としてインフィニティーリングを入手することで、インフィニティースタイル解禁となっています。

基本的に他ライダーたちの最強形態くらいの強さを持つ武神鎧武に対しては防御で勝るも、武神鎧武にはGOSHINBOKUのサポートがあるので苦戦といったところ。


レジェンドロックシード

白衣の少女が突如現れ、歩いた先から生えてくるヘルヘイムの植物の実をもいだら、色々あって回収していた武神ライダーの形見のアイテムと融合してレジェンドロックシード化して、それを使ってアームズチェンジしたらレジェンドアームズになりました。

……レジェンド系収集アイテムを話に絡めるっていうのはMEGAMAX以降に見られる流れですけど、強引に強引を掛け合せちゃって唐突感が強い。

来年辺りはもう素直にレジェンドアイテム争奪戦にしちゃった方がいいんじゃなかろうか……

わざと鎧武ウィザードアームズを晴人扱いする仁藤さんのボケが面白かったです。

あと、ロックシード側の影響を受けるのか龍玄Wアームズが「さあ、お前の罪を数えろ」と言ったり、斬月フォーゼアームズが「宇宙キ……たとでも言っておこうか」とか言って劇場の笑いを誘ったりしている中、個性付けが「セイヤー!」だけのバロンオーズアームズの微妙感が……


VS木

GOSHINBOKUと蓮華座合体した武神鎧武に立ち向かうのは鎧武ウィザードアームズと、ウィザードインフィニティードラゴンゴールド! 後者はこれまた唐突な登場ですが、晴人の魔法使いとしてのレベルが上がった証だったりするんだろうか。あるいはアンダーワールドに置いてきた賢者の石が力を貸してくれたか……?

今回は新ロックビークル・ダンデライナーを用いる鎧武ですが、こちらの入手経緯はGOSHINBOKU近くに生えていたヘルヘイムの実をもいだらロックビークル化したという状態。ロックビークルも実だったのか……


武神の力を得て

武神鎧武は自らの身を割いて鎧武とウィザードを体内に喰らおうとするが、GOSHINBOKUに封じ込められた武神ライダーズの力が逆に二人をパワーアップさせる。

トドメはスイカアームズ大玉モードをストライクエンドで蹴り飛ばす合体攻撃! ウィザードラゴンが現実世界で実体化しているのは武神ライダーズの力を受けた一時的な物でしょう、多分。


戦い終わって

斬月兄さんは先に帰り、紘汰たちはロックビークル、晴人たちはテレポートウィザードリングで元の世界へと……

でもって仁藤はヘルヘイムの実(未加工)を籠に詰めてビーストドライバーに食わせてました。どうもキマイラにとっては魔力より美味しいらしい。これを栽培すればファントム倒して魔力喰わなくても自給自足できるね!

……ヘルヘイムの実に関してのキナ臭さを考えるとそれでいいのかと思ったり、でもまあ何か魔力代わりになるのも納得できたり。


帰ってみれば

他のアーマードライダーが留守にしている間にグリドンと黒影が天下を取ろうとしていたので、そうはさせじと鎧武たちが参戦して〆!

……なんかこう、インベスゲームやライダーバトルがある程度健全なスポーツであるかのように描かれていますが、武装戦士同士の地下格闘と解釈すると一気にアレな絵面に……


というわけで

戦国MOVIE大合戦でした!

ウィザードパートは本編でも綺麗に終わっているわけですが、そこにちゃんと「さらなるフィナーレ」が描かれたこともあり、ウィザードファン必見のものとなっています。

そして鎧武パートというか戦極世界は……設定がとにかくぶっ飛んでいるのと、どうしても作品の性格上互いにフィードバックしない番外編として見るしかないことを呑み込み、かつ戦国乱世の論理に共感出来れば楽しく観られるんじゃないかな、と思います。


終わってみて

3歳児くらいだと日付や時間の概念が曖昧で。

SH大戦Zや夏の劇場版は見たかも知れないけれど去年のMOVIE大戦は観ていないって層もいて。

毎回SHTでバンバンCMやってるから印象深いこともあって。

終わった瞬間に三ヶ所くらいで男児が「あれ、キョウリュウジャー(VSゴーバスターズ)は?」とか言い出して吹いた。


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