今日のといず・くろすおーばーは!
変形!ヘンケイ!トランスフォーマーよりC-06スカイファイアーをご紹介!
私にも科学者の衣を捨て、兵士として戦う時がやって来たのかも知れない……
○キャラクター解説
原典であるG1アニメ「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」では第62話「スカイファイアーの再生(原語版第7話“Fire in the sky”)」にて登場。サイバトロンとデストロンの戦争が始まる直前の時代にセイバートロン星から派遣された惑星探検隊員だったが、地球の調査中に磁気嵐に巻き込まれ北極に墜落、以来長らく氷漬けのまま休眠状態に陥っていた。
時は流れて現代、地球のコアから熱エネルギーを奪い取る作戦を進行中だったデストロン軍により発見され、彼を知るスタースクリームの口添えもあって蘇生しデストロン軍に加入する。しかしデストロンの非道を目の当たりにしたスカイファイアーはサイバトロン戦士となることを決意。一度は北極の氷の下に消えたが、後にサイバトロンに救出される。
地球のビークルをスキャンしていないため、セイバートロンデザインの輸送機に変形。人間やミニボットのみならず、コンボイやアイアンハイドと言った中~大型クラスのサイバトロンも運搬可能だ。
CVはホイルジャックやアダムス、ビーチコンバーなどを担当する阪脩氏。
性格は温厚で理知的、本質的には戦いを好まない性格だが、弱者や罪なき者を保護しようという意識は強い。しかし彼の属性として最も鮮烈なのは「“あの”スタースクリームの親友」ということにある。スカイファイアーがスタースクリームに友情を感じているのと同様に、スタースクリームもまたスカイファイアーの蘇生をメガトロンに進言し、いつか軍団のトップに上り詰めた際にはスカイファイアーをNo.2に据えることを考えているなど決して一方的な関係ではなかった(過去形)。
原語版においては「ハズブロ社がタカトクトイスのスーパーバルキリーを米国で“Jetfire”として売るためのキャラクター」であったため日本でタカラから発売することができず、デザインを大幅に変更され(そのためか玩具ではJetfireなのだが、アニメでは原語版でもSkyfire名義となっている)、さらに日本版では終盤の登場に回されることとなった。そのため、初代TFにおける権利関係の混乱を象徴するキャラクターとして、オメガスプリーム同様ファンからの認知度は妙に高い。
ちなみにテックスペックでは「地位:10」とされており、一部海外コミックでは総司令官の地位に就いたこともある。
○玩具解説
2008年7月17日発売。同時発売物には「D-04 航空兵ラムジェット」(左)がある。
2006年11月ごろに発売された「TRANSFORMERS CLASSICS」版の「JETFIRE」を日本展開に合わせてリペイントした物で、玩具サイズはヴォイジャークラス。前述の経緯を踏まえ、アニメ劇中のヒューマノイドフェイスとG1玩具版のバルキリー顔を両立させるギミックを搭載している。
プレイバリューの高さからバリエーション展開も割とあり、CLASSICS版、ヘンケイ!版の他にリペイント品としてトイホビーマーケット「限定!ゲンテイ!トランスフォーマー」版の「ダークスカイファイアー」、Universe(2008年)版「TREADBOLT」、リデコ品ではボットコン2007の「DREADWIND(日本で言う超神マスターフォースのバスター)」が挙げられる。
増加ユニットが大迫力のジェットモードにトランスフォーム。G1アニメでは輸送機だったが、こちらは玩具のスーパーバルキリーにイメージを寄せた格好。
「変形!ヘンケイ!トランスフォーマー」シリーズはワンポイント的にメッキ処理を施すのが特徴の一つ。スカイファイアーは増加ユニットのスラスターノズルに銀メッキが施されている。
このノズルはボールジョイント接続で多少のスイングが可能となっている。
増加ユニットはカバーを後方にスライドすると、折りたたまれていたビームキャノンがスプリングギミックで展開する。
尾翼を立てることでノーマルジェットモードに。F-14を踏襲しつつも、機首周りが角張ったデザインになっている。
可変翼によって表情を付けられる。
コクピット脇の二連装機銃×2は上下に回転可能。地上の敵にも対応せよ!
増加パックも含めてのボイジャークラスなのだが、増加パック無しの本体も充分でかい。
やはりクランク状パーツで接続されていた尾翼周辺を上に向かって(増加ユニットごと)移動。
さらに足を伸ばしてメインノズルを展開、爪先と踵に。ここはギアで前後が連動している。
腕部の光子ミサイル発射機を回転し、分割して両手に持たせていた二連装ライフルを組み立てて持たせ直す。
キャノンを前方に向けて変形完了!
ヘンケイ!版ではヘルメットを「スタースクリームが作った洗脳装置(コントロールマスク)」と設定しているため、ゴーグルが赤いのが特徴。
ヘンケイ!版では最初からコントロールマスクを用意しており、スタースクリームはスカイファイアーを発見後、自分に賛同するわけがないと最初から分かった上で蘇生前に準備を進めていたことが分かる。
こちらのユニバースでは友人同士ながら「昔から“ウマ”が合わなかった」仲だとも語られている。
そしてコントロールマスクを外すと中からは端正なヒューマノイドフェイスが!
なお、外したマスクは一見すると余剰パーツになると思われがちだが、実は背面に折り畳まれたヒンジの部分に被せておくことができる。
説明書にはないが、固定用レールがしっかりフィットするため隠しギミックと言ってもいいだろう。
小顔になった分だけ巨大戦士という印象が強まっている。
ハンサムフェイス・紅白カラー、広がるウイングに巨大キャノンと、これでもかと言うほどヒロイック。
バックパック、ヘルメット、手持ちのライフル、両腕の光子ミサイルを外すと…・・
これが本来のスカイファイアーの姿?
武器の有無に関わらずジェットモードへの変形は可能なのだが、ヘルメットがないと機首側面がスカスカになってしまう(上記ビークルモードサイドビュー写真を参照)。
G1アニメでは巨大戦士として(それでも場面によってスケールはバラバラだが)描かれていたが、ヘンケイ!版はちょっと大柄な戦士といった感じ。
肩は前後回転の他に水平まで上げることができるのだが、何故か上腕ではなく前腕にロール軸がある。
肘は90度曲がり、拳もTFにしては珍しく回転可能。色々と表情付けはできるのだが、腕を胸の前に水平に持ってくることができないのが惜しい。
開脚とは別の関節で足を前方に上げ、また膝関節もほぼ90度曲がる。
しかしロール軸が膝下にあるためアクションには多少の制限がかかる。
変形にせよアクションにせよ武装パーツが干渉することはほとんどないのだが、首の可動範囲だけ少し狭まる。
巨体から繰り出される火力がサイバトロンを追い詰めていく!
しかしそこには巻き込まれかけた地球人の命が……
かつての友と決別し、心優しき科学者は正義の戦士へと生まれ変わる……!
アクション面では表情付けに有用な関節がある一方で思うようなポーズが取れないといった弱点もありますが、ストレートに格好いいデザインと高いプレイバリュー、そしてキャラクターの持つドラマなど旨味に満ち溢れた玩具です。
旧TFによくある劇中と玩具のデザイン差をひとつの特色としてギミックにしてしまう発想など、今の視点でも見るべきものが多いですね。